Mikatsuの本棚

本を読んだ感想など書いています

Wonder(ワンダー)

「人は見た目が9割」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

もし自分の見た目が「普通」じゃなかったら、外見だけではなく中身を見てほしいと思いませんか?

そもそも「普通」って何でしょうね?

 

『Wonder(ワンダー)』

R・J・パラシオ 著

中井はるの 訳

 

 

主人公は「普通」の10歳の少年、オーガスト、通称オギー。小柄だけどゲームが好きで、ユーモアに溢れている。

この本は、彼の小学校入学(途中編入)とその家族、友人の1年の物語。

 

でもオギーには「普通」じゃないところがあった。

何が「普通」じゃないかというと、オギーの顔だった。

生まれつきの病気と手術の繰り返しによって、両目は揃わず頬のあたりで垂れ下がっていて、耳は小さな穴が開いている程度、唇も歪んでいて食べ物をポロポロとこぼしてしまう。初めてみると顔に大火傷を負っているのではないかと勘違いされる。幼い頃からころから怖がられ、顔を背けられ、もしくは目を疑うようにジロジロと見られることに慣れていた。オギーは自分の顔が大嫌い。

家族がホームスクーリングに限界を感じたこと、オギーの今後の成長を考え学校入学を決めたことで物語が始まる。

 

オギーを憐れみ気を遣う大人、異質に反応する子供たち、親しくなった友人。急激な環境の変化の中で成長するオギー。でも変わっていったのは彼だけではなく。。。

 

「普通」の学校生活、「いて当たり前」の家族、「平凡」な毎日。

そう思っていた日々が主人公を含めさまざまな登場人物の視点で語られることで、それぞれの複雑な心理や人間関係を浮き彫りにしていく。

 

「普通」の学校生活も、「いて当たり前」の家族も、「平凡」な毎日も、実は日々移ろい行く驚きや不思議でいっぱいの瞬間なのかもしれません。

 

物語の中や各章に挿入される名言(格言)も物語に深みを持たせ、読者に考えさせる時間を持たせてくれます。

 

映画にもなっています。

お時間がありましたら映画を見てみるかこの本を手に取ってみてください。