Mikatsuの本棚

本を読んだ感想など書いています

2024-01-01から1年間の記事一覧

読書で世界旅行#9 イギリス 小さな命

日本で手に入るイギリス人作家の名著は数え切れないほどある。古典やファンタジー、映画化したものもある中で、この本に目が留まった。なぜなら表紙の絵が好きな作家、酒井駒子さんのものだったからだ。そして訳者は梨木香歩さん。こちらも好きな作家さんだ…

脳を知って己を知る

不安になったり落ち込んだり孤独を感じたり、どうして気分は落ち込むのだろう。天気のせいか?寝不足?仕事?人間関係? どうやら感情を左右しているのは脳らしい。 メンタル脳(新潮新書) 作者:アンデシュ・ハンセン,マッツ・ヴェンブラード 新潮社 Amazon…

読書で世界旅行#8 ドイツ 言葉の乱れを嘆く

『読書について』という本をめくったら、次のようなフレーズが並んでいた。 読書は、読み手の精神に、その瞬間の傾向や気分にまったくなじまない異質な思想を押しつける。(p.9) 多読に走ると、精神のしなやかさが失われる。(p.10) 読書は自分で考えることの…

今日、幸せ?

効率よく考えるのであれば、生まれてすぐ死ねばいい。 人はいかに無駄な時間を楽しむのかっていうテーマで生きてるんだよ。(p.7) 現代はコスパ(コストパフォーマンス:費用対効果)、タイパ(タイムパフォーマンス:時間対効果)を重視する風潮がある。 生き物…

歪な愛の行方

この人の本は、読み始めると止まらない、という作家が何人かいて、恩田陸はその一人だ。 章や登場人物の視点などで区切りがあるものの、続きを知らなければ不安になるような、ほかのことが手につかなくなるような、中毒性のある魅力がある。 タイトルから話…

他人のノートを覗く

ノートには何通りもの使い方がある。 中学、高校で教科担当の先生にノートの作り方を指示され、ノートの取り方を学んだ人は多いのではないだろうか。特に指示のない場合は、板書された順にノートを埋めていくことが多い。 どういうわけか、ノートの種類は同…

外は草だらけ

遅ればせながら、春の訪れを感じるようになった今日この頃、花粉症に苦しみながらも春の草花を一目見ようと外をふらふらしている。 郊外に住んでいるので、身近な植物と言えば人の家や公園などの庭木や植え込みだと思っていたが、この本を読んだ後は周りには…

読書で世界旅行#7 アフガニスタン 自由を求めて

読書で世界旅行をしようと考えたとき、読書でも行けない国はあるだろうなという予感はあった。本が出版されることがまれな国か、日本語に翻訳されていない(日本で出版に至るほどメジャーでない)国の本。この本を見つけたときは嬉しかった。出版するために尽…

読書で世界旅行#6 チェコ 飽くなきガーデニング愛

意識してこれまで読んでこなかった作家の本を探していくと、多くの副産物を得ることができる。 チェコの作家カレル・チャペックのガーデニングについてのエッセイは、執筆当時の社会情勢と日本とは違うガーデン植物について知ることができた。 園芸家12カ月-…

読書で世界旅行#5 スウェーデン 旅に出る理由

旅行に行くのが好きだ。 国内でも国外でも(国外にはもっと行く機会とお金があればいいのだけど)、長期間、頻繁にというわけにはいかなくても、日常から離れて、自分のことなど誰も知らない場所でその土地をぶらつくのがとても楽しい。その土地の名産品を食べ…

アイデアの生まれるところ

本屋で本を買うときは、目的の本のほかに「あ、おもしろそう」と思って本を手に取ることが多い。そして後から著者紹介などを読んで大変著名な人だったと驚くことがある。この本の著者も多くの功績を持つ方だった。 クリエイティブディレクターであり、大学教…

読書で世界旅行#4 ノルウェー 夜と氷

ノルウェー作家の小説を読んだのは初めてかもしれない。 ノルウェーという国をよく知らないので、この本を読んだ後の訳者あとがきから小説の背景を学ぶと物語の深みを感じることができた。 氷の城 (タリアイ・ヴェーソス・コレクション) 作者:タリアイ・ヴェ…

読書で世界旅行#3 日本 茶道の入り口

昨年の冬に茶道を習い始めてから、書店の茶道関係の本棚をうろつくようになった。 割稽古をつけてもらってはいるものの、何をしたらいいのかさっぱりわからない。忙しいと月一回しか行けなくなり、ますます覚えられない。掛け軸も花もお菓子も茶碗も、何の教…

読書で世界旅行#2 韓国 無意識の差別

韓国旅行した知人が「パラレルワールドみたいだった」と言っていた。 街並みは日本にとても似ていて、人も物も親しみやすいものばかり。言葉だけが違うように思えた、と。 この本を読んで、差別に対する考え方や政治・司法についても近しいものがあると感じ…

読書で世界旅行#1 中国 家庭料理

2024年になりました。 今年もよろしくお願いします。 今年は何かテーマを持ってブログを書いていこうと思い、読書で世界旅行をしています。 mikatsubooks.hatenadiary.jp 記念すべき1か国目は『中国』です。 中華料理が好きなので、中国出身の著者による料理…