意識してこれまで読んでこなかった作家の本を探していくと、多くの副産物を得ることができる。
チェコの作家カレル・チャペックのガーデニングについてのエッセイは、執筆当時の社会情勢と日本とは違うガーデン植物について知ることができた。
チェコの園芸家たちは年中忙しい。季節の先を考え、土を作り、土を観察し、園芸店へ足繁く通う。まだ自分の庭にない花や庭の空きスペースを見ては植える花に頭を悩ませ、芝の色に一喜一憂し、暴れるホースと格闘し、臭う肥料に目を輝かせる。花を楽しむというよりも、庭をいじることが園芸家の使命のようだ。
カレル・チャペックは園芸家としてよりも劇作家として世界的に有名で(全く知らなかった)、このエッセイが書かれたころはチェコの独立後、プロレタリア文学が多く出ていた時期で、のんびりとしたガーデニングエッセイは異色だったのではないかとの考察がされていた。どんな時代にも心休まる話というのは必要なのだ。
チェコと日本の風土が違いすぎてか、ガーデニング植物の名前は知らないものが多かったが、いざ画像を調べていると見たことのある花も多く、日本にも持ち込まれている種もかなりあるとのことだった。
ホームセンターで見つけたらにやけてしまいそうだ。