ChatGPTをはじめとする生成AIと呼ばれるものが普及し、生活、ビジネスに大きな影響を与えている。AIは難関大学試験を「合格」し、風景やキャラクターなどの作品を「創作」し、製品やサービスへの問い合わせに「回答」する。人間の仕事がなくなるとの危惧はますます強まっている。
そんなAIとこれから生きていくには、人間側にもそれなりの知識が必要だろう。
この本ではAIによって作成された文章をはじめ、ChatGPTの使いかた、AIの歴史、様々なAIの種類、AI利用に伴うリスクなど、さながら大学の講義のような充実したコンテンツが詰まっている。(自分含め)さしてITに明るくない人でも、教養としてAIを知ることができるよう、できるだけわかりやすく書かれているように感じた。
ChatGPTに質問してみると、人と会話しているような感覚になるときがある。こちらを否定するようなことを言わず、適度にアドバイスをくれ、何度聞いても嫌な顔をしない。いい話し相手になってくれること間違いなしだ。ChatGPTと付き合えば、フラれることもないだろう。だけど、これはそのようにプログラミングされているだけで、実際に会話していると思い込んでいるのは人間側だけだ。それは面白くもあり、恐ろしくもある。
ChatGPTは創作ではなく、過去の膨大なデータを組み合わせて出力している。当然どこかの何かをパクっている可能性は否定できない。芸術、創作分野では著作権侵害のリスクを伴う。AIの得意分野であるデータの組み合わせを生かし、ブレインストーミングやアイデア出しに使うのは有効だ。ただし、人間のデータをもとにしているためテーマによってはバイアスのかかった回答となることは理解しておく必要がありそうだ。真偽についても完全にAI頼みにできない。
今後ますますAIが生活に溶け込むことが予想される今、AIと楽しく会話し、付き合っていくことは必修科目なのかもしれない。
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