旅行に行くのが好きだ。
国内でも国外でも(国外にはもっと行く機会とお金があればいいのだけど)、長期間、頻繁にというわけにはいかなくても、日常から離れて、自分のことなど誰も知らない場所でその土地をぶらつくのがとても楽しい。その土地の名産品を食べて、市場や建物を見て、海とかぼーっと眺めて、何もすることがない時間を過ごす。
旅行好きの筆者の旅行についての経験談と考察を読むと、自分の中で多くの気づきを得た。
かつて人類は遊牧民だった。そのため遺伝子レベルで旅への憧れがあるらしい。
現在はインターネットの発達により、わざわざ旅行しなくても海外のことを知り、物を買うことはできる。それでも百聞は一見に如かず、その土地を歩いて現地の人と話し、その土地でものを食べる体験をすることは、画面越しに見つめるだけでは得られない感動を生む。
言葉も自分の常識も通じず不安に不安になったり、ぼったくりにあって途方に暮れても、なぜかまたどこかに旅したいと思う人がいると思えることが心強かった。旅行記を書いている多くの(筆者が影響を受けた)作家についても紹介されていて、また新しい本を知るきっかけになった。
読書で世界旅行をすることは、もちろんその国に行く経験とは程遠いけれど、視野を広げ心に栄養を注ぐことに大いに役立っていて、自分はやはり旅行が好きだと改めて思った。
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