Mikatsuの本棚

本を読んだ感想など書いています

ワードローブは10着にできないけど

シンプルな暮らしができたらいいなと思う。

ものがたくさんあると手入れが行き届かないし

十分に収納があるような住まいは総じて値が高い。

モノってどうやって減らしていくんだろうと何冊か本を読んでいたところ、当初の目的とは違うものが得られた本なのでメモしておく。

 

「○○人の△△な暮らし」「□□人は××をしない」系の本は見ていて面白い。その国に移住や留学した人が書いていたり、その国出身で今は他国に住んでいる人が書いていたり、別の文化や考え方と比較していることが多いように感じる。

その国への憧れ、気づき、懐かしさが筆者の目を通して伝わるところがこういう本の魅力だと思う。

 

筆者はアメリカからフランスへ留学し、フランスのホストファミリーと暮らした経験について書いている。身だしなみを整え、似合わない服や安物の服をクローゼットに抱え込まない(ように筆者には見えた)様子が筆者を驚かせたそう。他にも車社会のカリフォルニアとは違い、買い物にも近場の外出にも歩いていく、階段を頻繁に使う(たいていのアパートにはエレベーターがついていなかったらしい)暮らしの違いにも直面していた。

 

本の題名の通り、どうやらこのフランス人の家族は持っている服(ワードローブ)の数が10着程度らしい。10着ではやっていけないよと思い、具体的に持っている服のラインナップをみてさらに自分には実行できないなと思う。日本の気候のせいなのか、元貴族の家庭と庶民の自分との違いなのか。

ただ筆者自身もワードローブを減らすことを心掛けつつ10着には至っていないので、かなりの上級テクニックであるといえる。

 

服を減らすことに関してはあまり参考にならなかったものの、生活については大いに考えさせられるものがあった。

まず、ありきたりだけど食事を大いに楽しむこと。ついついスマホやテレビを見ながら片手間に、適当にごはんを食べがちだ。間食も同様。食べた後で何を食べたかよく覚えていなかったりする(さすがにこれはひどいなと思っている)。この本ではホームステイの家族そろって食事をとり、ダイニングにはテレビすらないことが紹介されている。料理と会話を楽しみ、ゆっくりと食事をする。間食もしない。手作りのジャムやタルトが並び(これはちょっと真似できないが)、食事に季節感がある。

次にルーティーンと喜びを大事にする。読書でもエクササイズでも、生活のなかで自分が整う決まった時間をつくることで、リズムのある生活ができそうだ。そして日々の生活の中でささやかな喜びを見つけること。ちょっといいものを普段使いして(いつかのために取っておいてもそのうち忘れてしまって役に立たなくなるから)、機嫌よく過ごす。旅行やフェスなどのイベント参加は特別に楽しいけれど、そうでないときも小さな楽しみを感じられるような生き方がいい。

 

本のタイトルにつられてしまったが、思いのほか得られるものの多い本だった。