Mikatsuの本棚

本を読んだ感想など書いています

Think clearly

幸せな人生とは何だろう

どうすれば幸せになるんだろう

「○○があれば幸せ」を求めがちだけど

もしかしたら「○○をしなければ」少なくともよい人生に近づくという視点が大事なのかもしれない

 

 

 

幸せな人生。いい人生。

幸せな人生を送りたいと思うのは人の世の常。

 

お金持ちの人や、有名人、高級車を持っている人、いいところに住んでいる人、宝くじに当たった人、一時はいいなあと思ってもその人たちが幸せかどうかは限らない。

多くの研究で、高収入と幸福度が比例しない結果や、宝くじが当たった人の幸福度は短期間で元に戻るという結果が報告されている。

 

じゃあ何があれば幸せになれるの?

著者の答えは「わからない」

でも、これをしなければ少なくともよい人生に近づけるのではないか、人生を上向けるためにこういう生き方・考え方はどうですかという「思考の道具箱」を筆者は提示してくれている。

ちなみにこの著者は以前紹介した「News Diet」の著者と同じ方です。

ご興味があればこちらもぜひ。

mikatsubooks.hatenadiary.jp

 

多数の学術研究、書籍、偉人の言葉を多く引用し、全52個の思考の道具について書かれているので、印象に残ったものを一部紹介します。

 

★自分は偶然と幸運の産物

今の人生の中で、自分の努力や個人的な成果による割合と、偶然や運による割合はそれぞれどれくらいだろう?

中学・高校受験を頑張って、大学受験のため猛勉強して、就職活動で何社も受けて、素敵な彼氏彼女や結婚相手を見つけて、キャリアを意識して転職したかもしれない。

「自分で未来を切りひらく!」というのはなかなかいいキャッチフレーズだけど、人生における個人の努力は偶然に比べものすごく割合が低い。

日本で生まれ、十分な食事や教育を受け、健康保険を享受し、基本的人権を守られているのは個人の努力でどうにかしてきたものではないだろう。

努力するな、という意味ではないのはもちろんだけど、一時の不運も偶然の産物。自分の努力不足にばかり焦点を当てず生きていきましょう。

 

★フォーカシング・イリュージョンに気をつけろ

人生の「特定の要素」に焦点を当てすぎると、もっと大切なことを見逃すかもしれない。

例えば、一人暮らしのアパートを探しているとする。

「駅近!」「ロフト付き!」「ウォークインクローゼットあり!」の文言に寄せられて、上記3つがすべてかなう「最高」の物件を借りたとする。

でも実際住んでみると、電車の音がうるさい、ロフトまでエアコンが届きにくくて暑い(寒い)、ウォークインクローゼットに照明がついていない、など生活の中で困りごとが多くあった。

宣伝文句やパッと目に入る利点から少し離れて物事を判断するようにすると、総合的な満足度が高くなる可能性がある。

 

★期待を管理する

「あなたにはがっかりしました」というようなことを言われたことはあるだろうか?

なんだかすいませんという気分になるかもしれないし、そもそも勝手な期待をしたのは相手で、思い通りにいかなかったことを責められても、と思うかもしれない。

もしくは、すごくすごく楽しみにしていたイベントに参加したが、たいして面白くなかった。なんだか休日を無駄にしたなと思うような経験をしたことはあるだろうか?

何かに期待するのは悪いことでもないし、(脳の性質上)止められることでもない。だけど期待値をやや下に設定することはできる。

著者は期待を10段階で評価し、そこからマイナス2をすることをすすめている。

あまり期待していなかった映画がめちゃくちゃ面白かった時の幸福度を考えると、これはいいアイデアかもしれない。

 

ここまで読んでくださったあなたに、今日何か一つでもいいことがありますように。