日本小説
相手の些細なしぐさから嘘を見破る、行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズが手に入ったので読んだ。 セブンス・サイン 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫) 作者:佐藤青南 宝島社 Amazon (あらすじ) 河川敷で餓死者が発見された。事件性が確認され捜査が始ま…
嘘をついたり隠し事をしているとき、誰でも行動に変化がある。早口になる、目をそらす、貧乏ゆすりをするなど。それらに加え、制御できない体のサインがある。 サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫) 作者:佐藤青南 宝島社 Amazon (あ…
遅ればせながら今年もどうぞよろしくお願いします。 新年早々に一気読みせずにはいられない本に出会ったので紹介。 殺し屋の営業術 作者:野宮有 講談社 Amazon (あらすじ) 数々の会社でトップの営業成績を収めてきた鳥井一樹は、ブラックな働き方も意に介さ…
ある事件の真相を求めて、関係者にインタビューを重ねていくにつれ、その全容は信じがたいものであることがわかる。ハラハラするミステリーを読んだ。 ある少女にまつわる殺人の告白 (宝島社文庫) 作者:佐藤青南 宝島社 Amazon (あらすじ) 交通事故がきっ…
人はいつかは死ぬ。そして、遺された人々によって葬儀が執り行われる。 アフターブルー 作者:朝宮夕 講談社 Amazon (あらすじ) 納棺師、生花装飾技能士、遺品整理士の集う株式会社C・F・Cの納棺部二課には、特殊なご遺体のケア依頼がくる。轢死・飛び降り・…
一見関係なさそうな二つの事柄が、終盤でつながる物語にはずれがない気がする。 犬はどこだ 作者:米澤 穂信 東京創元社 Amazon (あらすじ) ひきこもりを経て犬捜し専門の探偵事務所「紺屋S&R」を始めた主人公、紺屋長一郎のもとにやってきた最初の依頼は人捜…
ミステリーにおいて、警察はもちろん探偵も何らかの捜査権限を持つ。容疑者のアリバイを調べ、証拠を探し、事件の謎を紐解く。もし、それらの権限がなければ、手に入れられる情報はとても限られる。では、マジシャンはどうやって真相にたどり着くのか。 ブラ…
ミステリーの世界はまだまだ広い。探偵が犯罪者だっていいんだ。 アミュレット・ホテル (光文社文庫) 作者:方丈 貴恵 光文社 Amazon 「アミュレット・ホテル」という犯罪者御用達のホテルを舞台に不可解な殺人が起こるミステリーの短編集。このホテルの別館…
ミステリーをよく読む。探偵ものより刑事ものが好きだ。最近はトリックより地味で緻密な捜査の末に事件の全容が明らかになっていく過程に楽しみを見出している。刑事ものというだけに刑事が主人公のものが多いが、鑑識課の警察官が主人公のものを見つけて読…
旅先でホテルに泊まると、いろいろなお客がいる。単身だったり、恋人らしき人といたり、家族連れだったり。けれど、その人たちの素性は知れない。もしかしたら、嘘をついているかもしれない。 ホテル・ピーベリー<新装版> (双葉文庫) 作者:近藤史恵 双葉社…
ページをめくる手が止まらなくて、すぐに読み終えてしまう本がある一方で、いつまでもその世界に浸っていたいがためにわざとゆっくり読んでしまう本がある。この本は後者だ。読んでいるときは心が静かになって、ただひたすら主人公の小さな声に耳をすませて…
今では斜陽産業といわれている林業に携わる人たちがいる。木を植え、育て、使う。山と生きる人々の一年間は、のんびりしているようで驚きに満ちている。 神去なあなあ日常 (徳間文庫) 作者:三浦しをん 徳間書店 Amazon (あらすじ) 高校卒業後、担任の斡旋…
明治三十一年、漁業調査のため海に出た十六人は、のちに無人島での生活を強いられる。 無人島に生きる十六人 須川邦彦集 (古典名作文庫) 作者:須川邦彦 千歳出版 Amazon (あらすじ) 日本の漁業をさらに発展させるため、十六人の乗組員は龍睡丸という船で小…
夏のホラー小説と言えば、恒川光太郎の『夜市』を思い出す。久しぶりに恒川光太郎作品を読んだ。 竜が最後に帰る場所 (講談社文庫) 作者:恒川光太郎 講談社 Amazon どこかホラー感の漂う5つの短編小説集。その中で一番のお気に入りは『夜行(やぎょう)の冬』…
夏になると怪談を読みたくなる。 初めてフェイクドキュメンタリー怪談の本を手に取った。 火のないところに煙は(新潮文庫) 作者:芦沢央 新潮社 Amazon (あらすじ) 雑誌の短編小説の依頼を受けた主人公は、テーマが「神楽坂怪談」であると知り戦慄する。…
科学の発展に伴い、宗教から遠ざかる人が増えた。 科学が神の存在を証明したら、宗教は再びその存在を増すだろうか。 聖乳歯の迷宮 (文春文庫) 作者:本岡 類 文藝春秋 Amazon (あらすじ) 一人の日本人研究者、夏原がイスラエルにあるキリストの生家とされ…
章の中でも場面がこまめに分けられており、現在と過去を行き来する。ゆっくりと考える間もなく視点をあちこちに変更させられ、主人公と同じく自分もどこかおかしいのではと不安になる。謎や犯人の予想を立てるのは不可能に思える一冊だった。 一次元の挿し木…
誰かにとっては孤独に見え、つまらない人だとしても、別の誰かにとってはかけがえのない、大切な人であったりする。 あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫) 作者:原田マハ 講談社 Amazon この本の主人公は独身の中年女性たちだ。やりがいのある仕事にまい進…
災害救助用のドローンの開発が進んでいる。人がすぐに救助に向かえない場所へも、ドローンを飛ばして被災者を安全な場所に誘導することができる。被災者が健常者であれば。 アリアドネの声 (幻冬舎単行本) 作者:井上真偽 幻冬舎 Amazon (あらすじ) 「無理だ…
この話はもちろんフィクションなのだろうけれど、特殊詐欺の手法やそれぞれの役割、警察の動きなどがリアルに感じた。闇バイトや闇金、就職氷河期やコロナ禍で打撃を受けた人々、パパ活など、社会問題がふんだんに盛り込まれたかなり読みごたえを感じる一冊…
気になっていたけど手を出せていなかった本があった。本屋で見ると必ず裏面のあらすじまでは見るものの、なんとなく怖くて買えなかった。 友人がこの本を読むというのを聞いて、やっと重い腰を上げた。 「衝撃のラスト」という言葉の似合う一冊だった。 方舟…
1杯目はよそ者、2杯目はお客、3杯目は家族(p.156) とっておきの紅茶と、ティーフーズと、本日のゲストと共に、一息つく時間を過ごしましょう。 魔女たちのアフタヌーンティー (角川文庫) 作者:内山 純 KADOKAWA Amazon (あらすじ) 仕事での失敗をきっかけに…
自分が生きている時代では、到底考えられない、経験できないようなことが過去にあった。自分の生まれる前の時代のこと、人々のことを読書を通して知れるというのは、とても恵まれていることだと思う。 二十四の瞳 (角川文庫) 作者:壺井 栄 KADOKAWA Amazon …
ホテル×ミステリーシリーズの第二巻を手に入れた。いつものごとく東野圭吾ファンの母から送られてきた。 マスカレード・イブ (集英社文庫) 作者:東野 圭吾 集英社 Amazon (あらすじ) ホテルでは、誰でも「客」という仮面をかぶっている。ホテル・コルテシア…
認知バイアス、という言葉がある。いわゆる認知のゆがみでのことだ。普段何気ない生活の中でも人は常に何かしらの偏ったものの見方、考え方をしている。物事に意味やパターンを見出し、周囲の状況を理解しようとする。 そんな認知のゆがみを逆手に取ったよう…
本屋でタイトルを見たとき、中のページもめくらずにレジに向かった。タイトルに完全に惹かれた。簡潔で、美しくて、月まで三キロの距離にあるものが何か知りたかった。 月まで三キロ(新潮文庫) 作者:伊与原新 新潮社 Amazon 本のタイトルの話を含む6編の短…
炭鉱のカナリア、警鐘を鳴らす存在。かつて炭鉱で働く人が有毒ガスに敏感なカナリアを連れて現場に入り、危険察知に役立てたことからこの言葉ができた。 香害、低・高周波の騒音、日光や一般的に用いられる化学物質など、大多数の人には何でもないものが、あ…
異性や同性に対して恋愛感情を抱かなかったり、性的欲求を持たない場合、その人は結婚が向いていないとか、一人でいることが好きだといえるだろうか。 恋せぬふたり 作者:吉田 恵里香 NHK出版 Amazon (あらすじ) 恋愛感情が分からない主人公、咲子は後輩に好…
以前読んだ『殺し屋、やってます』がおもしろかったので、同じ作者の別の本を読んでみた。 風神館の殺人 (PHP文芸文庫) 作者:石持 浅海 PHP研究所 Amazon (あらすじ) とあるベンチャー企業の経営幹部に復讐するため集まった10人の男女。計画的に事を進め、ま…
なんとなく苦手意識をもって読んでいない本が多すぎる。きっと今なら読めそうだというタイミングでそういう本を読んでいこうと思い手に取った。 コンビニ人間 (文春文庫) 作者:村田 沙耶香 文藝春秋 Amazon (あらすじ) 幼いころから「普通」になじめない主人…