毎年夏になると、課題図書や著名な本が平積みで本屋に並ぶ。
毎年目にしていても、まだ読んだことのない本は意外と多い。
今年はそんな本も手にしていきたい。
ショートショートの神様と呼ばれている作者の星新一。ショートショートとは、短編小説よりさらに短い作品で、本書では5ページ程度で終わってしまう話もあった。
短編集はそこまで好きではなかったので、今まで進んで手に取ることがなかったけれど、いざ読んでみるとチョコレートボックスのように様々な工夫を凝らした作品が一つに収められた贅沢な一冊だった。
寓話的な話や、SF、ファンタジー、笑い話、切ない話、読んでいて全く飽きない。飽きるほど長々と書かれていないからかもしれない。ジャンルの違うショートショートが詰まっているから、次はどんな話なのかページをめくる手が止まらない。
タイトルを見事に回収していて、読み終わった後に清涼感がある。
悪魔の出てくる話がいくつかあって、どの悪魔も意地悪さがあって好きだった。
きっとお気に入りの話が見つかるはず。