シリーズものは好きですか?
ハリーポッターシリーズ、ダレンシャンシリーズ、リンの谷のローワンシリーズ、キノの旅シリーズ.etc
小中学生くらいの時はシリーズものをよく読んで今したが、大学生あたりからだんだん読まなくなっていました。
そんな中、久しぶりにシリーズものにハマったかもしれません
准教授・高槻彰良教授の推察2では、こっくりさん、ホラー映画撮影で起こる怪奇現象、「奇跡の子供」といわれる少女がテーマです。
はたして本当に霊の仕業なのか、人によって仕組まれたものなのか・・・。
前回のブログにも書きましたが、主人公は声のゆがみで人の嘘が見抜けてしまう大学生深町君と、驚異的な記憶力と洞察力を持つ民俗学准教授高槻先生。二人とも以前に怪奇現象にあった経験があり、「呪い」を受けたため上記のような特異体質になったようです。
ミステリーの感想でネタバレするのは個人的に嫌なので(人の書いたのは読んでしまいますが)、今回は深町君についてちょっと書いてみたいと思います。
深町君は子供のころにある禁忌を犯したことによって「孤独になる」という「呪い」をかけられ、嘘が見抜ける耳を持ってしまいました。話し手が嘘をつくと、その声が歪み、不快な音になることによって即座に嘘だとわかってしまいます。不快音として聞こえるため本人も思わず耳を塞ぐなど不自然な行動をとっていることが話し手にも伝わってしまいます。
過去に両親の嘘を見抜いてしまったために家族とも気まずくなり、できるだけ「孤独」に生きようと深町君はある意味注意して大学生活を送っていました。
どうして嘘が見抜けると「孤独になる」のでしょうか?
そもそも人はどれくらい嘘をつくものなんでしょうか?
ググってみると人は1日200回嘘をつく、という本がヒットしました。
ちょっとこの本も面白そうです。
200回は多すぎでは、と思いましたが、小さな嘘は意外と気にせずついているかもしれません。
体調の悪い時に「大丈夫」と言ったり、誘いを断りたいときに「予定がある」と言ったり、好きな人がばれるのが恥ずかしくて「好きじゃない」と言ったり・・・。
話の中で多少の誇張表現をすることも、誇張した部分は本当のことではないので「嘘」といえるかもしれません。
これらすべてが耳を塞ぎたくなるほどの不快音として聞こえてしまったら、深町君自身もかなりきつい。人と話をするのが嫌になりそうです。
人との会話を避けるようになる→人を避けるようになる→孤独になる、でしょうか。
相手側に立ってみると、嘘を見抜かれる側も結構きつい。
悪意のある嘘はもちろんあるとして、善意の嘘もあります。相手に心配をかけたくない、相手に楽しんでほしい、相手を傷つけたくないために事実を歪めて(もしくは隠して)伝えることはあり得ます。また、羞恥心を隠したいがためにつく噓、自分を守るための嘘もあります。正直に真実を話しているだけが善ではないですし、人間関係を円滑にするために、誰しも多少なりとも嘘はつくでしょう。
それらすべてが相手にばれているとしたら、かなり付き合いづらくなります。ましてや嘘をついているところで顔をしかめられたり、耳をふさがれたりすれば、心穏やかにはいられません。誰しも人に触れられたくない部分があるからです。仕事で有用になる能力になりえますが、個人として深く付き合いたいかと言われると難しいです。
深町君と話さないようにする(関わらないようにする)→深町君が孤立する、になります。
ミステリーや民俗学を楽しむ他、人の思惑や練られたストーリーが魅力的なので、続編にもまた手が伸びそうです。