本屋で本を買うときは、目的の本のほかに「あ、おもしろそう」と思って本を手に取ることが多い。そして後から著者紹介などを読んで大変著名な人だったと驚くことがある。この本の著者も多くの功績を持つ方だった。
クリエイティブディレクターであり、大学教授であり、経営者である著者が、ちょっと立ち止まって考えられるようなテーマをかわいいイラストと共にまとめてくれている。
身近なもの、当たり前にあるようなものに別の視点を向けると、これまでとは違った見方、考え方ができることがある。
本書で扱われたテーマで印象に残ったものをメモ。
テーマ:「結果と過程」
願いをかなえてくれる魔法使いがいた。憧れの人と添い遂げたいという願いには、二人を老夫婦の姿に変えた。バナナをおなか一杯食べたいを言う願いには、その人をバナナでおなか一杯の状態にした。結果的には願いがかなったのだが、どちらも大変不満そうだった。
結果がすべてだといわれることが多いけれど、上記二つのケースは過程の方が大事だろう。過程を飛ばしては楽しめないことは案外多いのかもしれない。
テーマ:「古いシステムと新しい価値」
もともとある用途で利用されていたものを、別のことにも利用する例として、リスが雨どいをドングリを地面に落とすトンネルとして使っている様子が描かれている。また、解説にはガス会社がガス管を利用してインターネットサービスに事業を広げたことに言及している。
古いものを取り去ってまったく新しいものにするという考え方がある一方、今あるもので新しい使い方をする考え方もある。
目を通そうと思えば一時間もかからない本だけれど、考え出すと何時間でも時間を過ごせる本だった。
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