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読書で世界旅行#7 アフガニスタン 自由を求めて

読書で世界旅行をしようと考えたとき、読書でも行けない国はあるだろうなという予感はあった。本が出版されることがまれな国か、日本語に翻訳されていない(日本で出版に至るほどメジャーでない)国の本。この本を見つけたときは嬉しかった。出版するために尽力してくれた方々にとても感謝している。

 

アフガニスタンの女性作家たちによる短編集。アフガニスタンは現在政治的な混乱が続き、女性が学校に行くこと、特定の職業以外につくこと、結婚や出産を自分で決めることが難しい。この本はアフガニスタンで出版された本ではない。

この本は、海外の文学作品を翻訳・出版しているイギリスの出版社が英語翻訳本を出し、その本の日本語訳版だ。

 

収録されている話はもちろんフィクションだが、実体験に基づいた話、暮らしの様子、結婚観などはその国の信条や文化が色濃く出ていると思う。

生活苦や長引く戦争のつらさ、自由を求めてやまない話、亡命した話など、18名の作家が紡ぐ物語はどれもとても身に染みた。

 

身の危険にさらされながら、それでもペンを取り、自分を表現する勇気。その勇気を掬い取り世界へ届ける会社があって本当によかったと思う。一人で勝手にやってるプロジェクトではあるが、すでにかなり実りの多い結果になっていてそれも嬉しい。