人はいつかは死ぬ。そして、遺された人々によって葬儀が執り行われる。
(あらすじ)
納棺師、生花装飾技能士、遺品整理士の集う株式会社C・F・Cの納棺部二課には、特殊なご遺体のケア依頼がくる。轢死・飛び降り・首吊りなど、自殺や突然死によって顔や体の「復元」が必要なご遺体たちだ。生前の姿で眠っているように遺族と最後の対面を果たせるように、二課の納棺師と新人社員は依頼をこなす。ご遺体に深く共感しすぎないように、自分の過去を見つめすぎないように。
今年の5月に祖母を亡くし、納棺師の方々のお仕事を目にする機会があった。祖母の体を洗う湯灌や、祖母のお気に入りの口紅を使ってメイクをし、眠っているような優しい顔で遺族と最後の挨拶ができるように尽力してくれた。祖母は比較的穏やかな最期を迎えたため、この本を読むまでは遺体の「復元」が必要になる状況を想像していなかった。
自殺によって自ら命を断った人、死後数日たった人、火事や事故によって大きく傷ついいてしまった顔や体の描写は読んでいてつらくなるものがあった。けれど遺された人たちが最後に顔を見て別れを言えるように、それぞれの信念を胸に二課の職員たちが真摯に遺体に向かう姿を息をつめて読んだ。登場人物たちもそれぞれに暗い過去があり、危うい均衡を保ちながら仕事をしている。日々凄惨な人の死に触れながら、仲間に支えられ徐々に自分の気持ちに向き合っていく様子も見どころだ。
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