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読書で世界旅行#11 フランス 障がいをうけいれる

この投稿は100本目になる。感慨深い。

100本目のブログはフランス人作家が書いた、障がいを持つ子が生まれた家族の物語について書くことにした。

 

両親、長男、長女の4人家族に、男の赤ちゃんが加わった。

その子は目が見えず、体を思うように動かせず、話せず、長く生きられないことが分かった。

両親、長男、長女の日常は一変した。

治療や支援を求めて奔走する両親、友人関係を断ち弟を溺愛する長男、弟を拒絶し反抗的にふるまう長女。誰もが不安と怒り、悲しみをかかえていた。

壮大な自然の中に位置する彼らの生活と葛藤が登場人物らのほか、「石」の視点で語られている。

次男の亡き後、長男、長女は子供から青年へと成長し、家族は新たに男の子を授かる。次の子は長く生きられるだろうか?家族の緊張をよそに、三男は天真爛漫でありながら思いやりのある子へ成長していく。そこにも、次男の記憶は残り続ける。

 

障がいのある子どもが生まれたことで、登場人物それぞれが異なる思いを持ち、悩んだり苦しんだりする。それでもつかの間の穏やかな時間が強く印象に残る。口に食事を運び、寝返りをうたせ、体を清潔にし、つねに気を配っていなければならない生活は容易ではない。それでも、家族はそれぞれのやり方で子どもを受け入れている。

 

主人公の一家に誰も名前がないことが印象的だった。他人事としてではなく、自分がその一員になっているような気がして読んでいた。

自分はどう受け入れるだろうかと。