容疑者の息子と被害者の娘はそれぞれの父親の不可解な点に疑問を持ち、真実を明らかにしたいと望む。
前回は上巻を読んだ感想で、今回は下巻になります。
(あらすじ)
捜査は終わったものになった。法廷で争われるのは情状酌量で、犯人は容疑者であるということが絶対的に進められていた。被害者の娘は容疑者の自供がとても自分の父の行動とは思えず、真相を知りたいと願い、加害者の息子はなぜ父が嘘をついてまで罪をかぶろうとするのか納得がいかない。本来であれば直接会うことをよしとされない二人は、真実を求めるという目的で独自捜査に乗り出す。
過去の事件とのつながり、意外な犯人と共犯者が物語をひっくり返す。
読み進めていくと一息つく間が見つからず、結局一気に読んでしまった。
エゴ、浅はかさ、因果応報などありきたりな言葉は浮かぶものの、どの選択がハッピーエンドになりえたのかなどその時には分かりえないというリアルさがあった。
被害者遺族も、加害者家族も、どちらも事件の当事者ではない。にもかかわらず、世間やメディアの攻撃にさらされ、将来さえも脅かされる。外野は一時のエンターテイメントとして消費し、風向きが変わればそれまでのコメントもあっさりとひっくり返す。SNSの怖さについて書かれている東野圭吾作品は今回初めて読んだ。
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