10という数字はきりがいい。そんな記念すべき10か国目はアメリカになった。しかも洋書で読んだ。今年から読書で世界旅行を始めて、1月にこの本を読み始めて、5カ月かけて読み終えた。感慨深い。
邦訳版
筆者ミッチ・アルボムには、大学時代に多くの記憶に残る授業をし、人生の中で忘れられない教授、モリーがいた。卒業後特に会うこともなく、目まぐるしい人生を送るミッチに届いた知らせは、モリーがALSに罹ったことだった。徐々に体の機能が失われ、命尽きるその日まで、再開したミッチにモリーは毎週火曜日に授業を行うことをもちかける。死について、家族について、愛について・・・。
日に日に体が衰弱し、自分の意志で動かすことができなくなっていく様子が著者の目を通して詳細に描写されている。それにもかかわらず、モリーは満ち足りていて冗談も言う。多くの人に愛された教授は、最期まである一人の生徒を導こうとしていた。
人生の中で、真摯に向き合い、支え、諭してくれるような人に会える人はいったいどれほどいるだろうか。ノンフィクションだからこそ、その重みが増す気がした。
モリーは死について話すことが多い。周りが死について避けようとしても「誰にも平等に訪れること」と口にするのをためらわない。
Death ends a life, but not a relationship. (p.174)
死は命の終わりだが、関係が終わるわけではない
人生について、死について考えるいい機会になった。