東北大震災で甚大な被害が報じられた時、海外の多くの人は日本全土が壊滅状態だと信じた。
中国でコロナウイルスが広がったとネットニュースが伝えた時、多くの人は中国のどこにいくのも危険だと感じた。
日本で知り合った「外国人」が自分の国のよくないところを話した時、もしくはいいところを話した時、その国の印象は大きく変わりましたか?
あなたはロシアがウクライナに侵攻した時、ウクライナ(全土)が攻撃されたと感じ、ロシアの(すべての)人々に嫌悪を感じたりしましたか?
メディアが伝える画面越しの「外国」。
たまたま日本で出会った海外からの旅行者、知り合い。
それらが伝える情報が本当に世界やその国の全てだろうか?
『インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日』
中村安希 著
この本には著者がユーラシア・アフリカ大陸の国々を実際訪れ、見て、触れて、歩いて、食べた684日が記録されている。
人種の壁、貧困、西と東の差を目の当たりにしたり、渡航情報を確認しながら危険を冒して入国を試みたり、その国の宗教に従い利害の一致する旅行者と結婚までした(そして離婚した)。
著者は画面越しに「遠くの国」をぼんやりと眺めることをやめ、自分の目で世界を見に行っていた。
著者が訪れた国の中には、恥ずかしながら地図上のどこにある国なのか正確に知らないものもあった。
自分の意識に上らなくても、その国はあり、人々が生活している。
今直接海外に行けなくても、「外国」の違う面も見たい時にこの本を手に取ってみてください。