Mikatsuの本棚

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ラテラルシンキング

問題: みかんが13個あります。3人に公平に分けるにはどうしたらいいでしょう?

13÷3=4あまり1

答え: 4と1/3個?

本当に?

学校でこういう問題に慣れてしまって、なかなかほかの方法を思いつかなくなってしまった。世の中にはすでに「こうあるべき」という考え方が確立されてしまっていて、それを前提に動いていることが多い。けれど、そこから外れた「ずるい」考え方がビジネスの成功のカギになったり、生きやすい社会につながるのかもしれない。

 

冒頭のみかんの問題では、個数で分けろとはいわれていない。同じ重さで分けることもできるし(みかんの大きさが同じとは限らない)、ジュースにして1杯ずつ飲んでもいい(みかんが同じ甘さだとは限らない)。本書には種を植えてもっとたくさん実るのを待つ、というものもあった。突拍子もない発想かもしれないが、「間違って」はいない。正しい答えは一つだけではないのだ。このような考え方をラテラルシンキングと呼ぶ。

ロジカルシンキングが「筋道立てて論理的に解答を導き出す」垂直思考なのに対し、ラテラルシンキングは「思考の幅を広げる」水平思考をする(p.20)。どちらが良いというものでもなく、補完関係にある。ロジカルシンキングだけでは論理的に物事を進められても行き詰ったり、新しい発想が受け入れられにくい。ラテラルシンキングだけでは、発想の広がりはあっても秩序を保ちにくい。

この本を通じて初めて知ったラテラルシンキングだったが、意外と社会のあちこちでこの発想が生かされていることを知った。

考えに柔軟性がなくなってきていると感じる今だからこそ、「もっと楽できないか」「本当にそれだけしか方法はないのか」「組み合わせたり分解したりできないか」という視点を持っていきたい。