心理状態を表す体のマイクロジェスチャーをつぶさに観察し、人の言葉に隠された嘘や動揺を見抜く。行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ第3弾。
(あらすじ)
容疑者の自供率100パーセントを誇る行動心理捜査官・楯岡絵麻は、容疑者の行動の癖、仕草から嘘を見抜く取り調べのエキスパート。統合失調症疑いの男が元妻の殺人未遂で捕まる。心神喪失者は不起訴処分になるという刑法の穴をついている可能性があり、楯岡は男が詐病である可能性を探るうちに、この元夫婦が未解決事件である少女殺害遺棄事件の遺族だということが判明する。統合失調症を装う目的は何なのか、捜査を続けるうちに心神喪失者であると診断された犯罪者たちが収容される精神医療研究センターの闇に行きつく。
精神鑑定の不確定さやサイコパスの心理、心理学を用いた誘導など、目の離せない展開に一気読みしてしまった。恐怖心をあおって他人を操る犯人と、何気ない一言で相手の行動を自分の思う方向へ誘導する楯岡の駆け引きがスリリングだった。自分は自分の考えをもとに判断していると思っているが、はたしてそれは本当なのか。気づかないだけで誰かの意図する方向に進んでいないか、当たり前だと思っていたことが揺らぐような感覚を覚えた。
