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魂の浄化

相手の些細なしぐさから嘘を見破る、行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズが手に入ったので読んだ。

(あらすじ)

河川敷で餓死者が発見された。事件性が確認され捜査が始まる中で浮上したある宗教団体との関連性。楯岡が容疑者の取り調べを行うも、捜査途中で自殺未遂を図られ行き詰まる。魂の浄化を信じて集まる宗教団体の信者たちとその陰に潜む悪意にたどり着けるのか。

 

宗教について、信条の自由は保障されるべきだけれど、殺人事件と絡めて物語を進めるとどうしても信者が異常な考えを持った人に見えるのではないかと危惧していた。けれど作者は読者に偏見を持たせない工夫をあちこちにちりばめている。主人公の楯岡に人が何かをよりどころとする重要性と認知の偏りが時に人を非常識な決断へと導くことをセリフの中でバランスよく解説させている。また、娘の病気が宗教によって回復したとして病院へ通わなくなった親子の経過を丁寧に追っている。ネタバレはしたくないので書かないが、犯人の欲望と狂気が宗教によるものではなく、あくまで人間の怖さによるものであるという物語の運びがバランスが取れていると感じた。

シリーズの順序がよくわからず、裏表紙のあらすじをみて決めたので2作目というわけではなさそうだ。けれど流れはわかりやすく、登場人物たちの人間関係もつかみやすいのであまり気にせず読めた。

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