子育てに関するサイトやYouTube、書籍を漁っている。いろいろな考え方や育児方針があるようだ。日本だけでなく海外の子育てについても読んでみた。
アメリカ人ライターの筆者が、パリで子育てをするにあたり、自国の子育て事情とフランスの子育てについての違いや驚きを綴った本。
まず筆者が驚いたことは自分の子どもと同じくらいの年齢の幼児がレストランで食べ物を投げず、大声で叫ばず、親がコース料理を食べる間おとなしく座っていたことだった。子どもにいち早く食事をさせ、騒ぎ出す前に親が慌てて食事を済ませる自分たち一家との違いに愕然とした経験から本書は始まる。
フランスで子育てをするものの、英米流の子育て本を読み、その中で育児方針を立てていた筆者だったが、フランス人の赤ちゃんは生後約4カ月で夜泣きすることなく朝まで眠ることを知り、フランス流の子育てに興味を持ち始める。そしてフランス人のママやナニーからその秘訣を聞いて実践するうちに、フランスの子育てには一貫した考え方があると知る。
日本でも「ネントレ」や「知育」など、さまざまな育児論があり、その中から親の信条に合わせて選んでいく考え方が主流に見える一方で、フランスでは特別名称がついているわけではなく、小児科医がある程度方針を指示し、誰もがそれに沿って育児をしているようだと筆者は述べている。
アメリカでも日本と同様に、いかに親が献身的に子どもに時間をかけて世話をするかということが美徳とされているが、フランスでは(もちろん生きていくための世話は必要ではあるが)たとえ赤ちゃんであっても一人の人間として自分の機嫌は自分で取る能力があり、親でも自由な時間をもつ権利があるという考え方が主流のようだ。
また、小さいうちから挨拶や食事のマナーなどは厳しくしつけられる。しつけと言うと押さえつけるような響きを感じるが、フランスでは教育としてかなり重要視されている。しつけのなっていない子どもとは交流しないくらいの勢いがある。
また、親が子どもの行動を制限し、許可された中で子どもは自由にするという考え方が強いようだ。子どもの話を聞いて根気強くその気持ちに寄り添うというよりは、時には言われたままに従わなければならないことも教えている。この辺りはこれまで見てきた育児論と異なっていて興味深かった。何より、赤ちゃんは何もわからないという姿勢ではなく、わかると信じて向き合う姿勢は子育ての見方を大きく変えた。
日本とフランスでは文化や制度は違うし、日本人の感覚からすると「冷たい」「子どもがかわいそう」と見えなくもない考え方もあったが、これからの国際社会でたくましく生きていってほしいので、参考にしたいと思う。
