ある事件の真相を求めて、関係者にインタビューを重ねていくにつれ、その全容は信じがたいものであることがわかる。ハラハラするミステリーを読んだ。
(あらすじ)
交通事故がきっかけで当時小学四年生だった長峰亜紀ちゃんが虐待を受けている可能性が浮上した。小児科医と児童相談所の所長が連携し、慎重かつ確実に児童保護に乗り出すものの、保護者の抵抗や強硬手段へのためらいから事件化する。真相を追う自称記者は、関係者から亜紀ちゃんと事件についてのインタビューを重ねていく。
児童相談所の所長、隈部を中心に、当時の担任教師、相談所職員、同じ時期に保護されていた児童、友人など、それぞれの視点から亜紀ちゃんと当時について断片的に明らかにされていく。意図的に歪められた視点が、全容把握を困難にさせる中、読者が次第に恐ろしい結末にたどり着けるように誘導するような作品だった。
虐待や暴力の表現や児童相談所でのやりとりなどに現実味がある分、読むのがつらくなる人もいると思われるので誰にでもおすすめという本ではないけれど、ハラハラする、ミスリードさせられる作品が好きな人には楽しめる一冊だと思う。
