競争社会の中で、毎日疲れて「なんのために生きているんだろう」と思うくらいなら、競争から抜けてしまえばいいのかもしれない。
超常現象や超能力の研究を行ってきた筆者は、仏教の教えや宇宙の観点から物事を見るようになったそうだ。そこで「幸せ」は存在しないという結論に至っている。けれど、「幸せ」という現象については存在するらしい。すべての人にとって「これが幸せ」というものは存在しない。人と比べる要素となるお金や地位、学歴、容姿においても、確かに「これが一番幸せな収入額(地位、大学、見た目)だ」というものはない。重要なのは自分にとって幸せな状態を自覚できるかということのようだ。
宇宙の観点から見ると、雨の日はただ雨が降っている日である。それに対して「出かけるのが億劫だ」「洗濯物が乾かない」「じめじめして不快だ」と感じるのはその人の考え方によるものである。ただの事象にわざわざ「自分は不幸だ」という理由付けをしても意味がないというのが筆者の主張だ。考え方次第とはよく言われるけれど、納得感のある説明だった。
また、「正しい」ことにこだわるのは生きづらいということも言っている。こうあるべき論にとらわれると、自分も周りも苦しくなる。正義感を振りかざしてSNSで炎上騒動が起こることはよくあり、行き過ぎて名誉棄損で訴えられたりという話も今は珍しくない。けれど、これは「幸せ」になるのか?と疑問になる。「正しい」より「楽しい」かどうかを基準にすることを筆者はすすめている。
超常現象や仏教には明るくないけれど、必要のない競争から降りること、目の前の事象は自分の考え方次第であることを学べたのはよかった。
