瞑想やヨガの効用が話題にされるようになってしばらくたつ。どちらも嫌いというわけではないけれど、ビジネスシーンで重宝される理由はいまいちわかっていなかった。瞑想やヨガによって、ストレス軽減や集中力の向上につながる理由が、この本を読んでしっくりきた。
考えすぎない、とはどういうことなのか。気にしすぎないとか、自分を大切にするとか、その手のタイトルの本は多い。気の持ちようだといわれればそうなのかもしれないけれど、「考えすぎないようにしましょう!」と言われても結局考えすぎてしまう。日本語のタイトルではそんな印象を受けたものの、原題の『Don't Believe Everything You Think』をみて興味をひかれた。『あなたが考えていることのすべてを信じるのはやめましょう』。考えすぎる、というのはつまりそういうことなのかもしれない。
筆者は、私たちをとりまく環境や出来事は事実ではなく、私たちがその出来事に対して考えたことを感じているに過ぎないという。私たちが嬉しい、嫌だ、と感じる原因は、10%オフのクーポンや同僚によるものではなく、私たちの受け止め方に過ぎない。例えば、よく行くカフェでコーヒーを飲むという行為について。カフェでコーヒーを飲むという行為は変わらないのに、日によってはリラックスしていたり、イライラしていたりする。カフェやコーヒーは変わらない。変わっているのは自分が考えていることだ。
考えていることは、たいてい未来や過去のことで、自分ではどうすることもできないことだ。けれどもそれを「考える」ことによって、私たちはネガティブな感情にとらわれ、その瞬間を生きていない、と筆者は主張する。未来についての望みや目標を考えてはいけない、ということではなく、考えても無駄なことにとらわれて苦しむことは不毛である、というのがこの本の要旨だ。
いま、ここに集中する方法として、いくつか実践できるワークがこの本に載っている。瞑想やヨガは、今に集中することで考えることから離れられるため有効な手段であるようだ。
人生は全く手に負えないことばかりで、実際にコントロールできるのはほんの一部にすぎません。
とはいえ、人生はコントロールできないからお手上げだと言っているわけではありません。その真逆です。すべてをコントロールして思いどおりに事が運ぶようにする必要はないと気づけば、苦しみや痛み、フラストレーションから解放されます。(p.100)
週明けの仕事が面倒だなあとあれこれ「考え」ても、明日になればちゃんと職場に向かい、仕事をする。考えても仕方ないので、読みたかった本を読もう。
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