Mikatsuの本棚

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きっとお国柄

急に待ち時間が発生したので、いつものごとく書店へ行く。カフェやイベントスペースも併設されている書店で、ショーン・タンの作品が展示されていた。不思議な生き物たちの絵やスケッチに魅了されて、絵本を一冊購入。

「絵本が大人の言葉で書かれているのは、子どもだけでなく大人も絵本を楽しみ、絵本から学べるようにするためだ」と、どこかで読んだ記憶があるけれど、エリックもまさしくその本の一つだろう。

(あらすじ)

見た目もサイズもいろいろ「変わっている」留学生のエリック(本名が難しすぎて発音できないため、通称)が、主人公(語り手)の家にやってきた。ホームステイ用に用意した部屋も、週末の計画も、教えたかったこともあったが、エリックが気に入っているのかどうか自信が持てない主人公。主人公はなんだかかみ合っていない現状にもやもやするが、母は「きっとお国柄ね」と受け入れている様子。少しずつ「お国柄」を受け入れていった主人公だったが、ある日エリックは急に家を出ていく。何か気に入らないことがあったのではと家族は悩むが、エリックの「部屋」を見たときに「あれ」を見つける。きっと彼はホームステイを楽しんでくれたのだろう。

文化の違いについて考える、あるいは考え直すきっかけになった。国が違えば当たり前も違っていて、興味を持つものも当然違っている。先日アメリカから友達が観光に来てくれた。観光名所を案内しているときに、建物やお土産より道路の点字ブロックやラーメン屋のテーブルに置いてある水のピッチャーに興味を示していた。こちらからしてみれば当たり前で、特に気にするでもないものが、何に使うのかよくわからない不思議なものだったりするのだ。ホスト側が最高のもてなしと思ってしていることが、クライアント側からすると特にうれしくもなかったりすることもあるだろう。「お国柄」という言葉が、皮肉めいて聞こえることもあったけれど、きっと主人公の母はエリックを広く受け入れていたのだと思う。絵がかわいいので、うがった見方をしなくてよかった。エリックが人とかけ離れた見た目をしているため、特定の人種と結びつけて考えなくてよかったのもよかった。